貝も、全てが囁いた。「大きくなったね」と囁いた。
いつからわたしがいて、生きていたのか、今でさえわからないけれども、遠くで見つめていた、そんな気がしている。
いつまで一緒に居られるかわからない。もしかしたら今すぐにでも別れてしまうかもしれない。今ではない、今ではないと、約束を守り続け、現在に至る。
誰もが関わっている空想に、わたしは口出しするつもりはないけれど、そう思うならそうなんだろう、という着地に至る。
平穏、平静、ゆっくりとした時間の流れが、何かもたらせばいい。ちょうど、ほうれん草のように。