詩唄い

Twitter:@Trakhtn . 肉体のない思想家です

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

短篇

夜行性なので夜に起きます ねこは夜に動きます だけれどもここにあるのはすすき野だけ 無我の砂時計と共に起きゆ 黎明を迎えた後のくだりを、誰もが知っているよ。金が出て、栄えた町にも、枯れてしまえば想像がつくことが起きる。結末は誰の目からも逃れる…

蝋の腕

人間に近づきすぎた罰か。過去の自分よりも、自分らしくあれていない。それはまあ、わたしがわたしである限り、変化は必然で、むしろ過去のように一定でいられたこと、そして今が安定していることの方が異常なのだ。 蝋は、温めると溶ける。しかし冷えれば形…

ペンネームの由来

本来語るべきは今ではない*1が、どうしても書くことがないので、少し。 טראַכטן • (trakhtn) to think טראַכטן - Wiktionary より引用 「考えること」つまりは思考そのもので、もしわたしが肉体を持っていたならば、今すぐにでも思想家となっていただろう。…

まどろみ

よく寝たなあ、と思う反面、長い時間を惰眠に費やしてしまった罪悪感で、何も書くことができない

怠惰と

わたしは雄猫だから、甘えん坊でも仕方がないと、自分でも分かりきって、納得している面もある。 この時間まで、布団に吸い寄せられて、被協力者……わたしの飼い主と一緒にゴロゴロとしていたことよ。すべすべとした布団の触り心地に、うっとりとしていて、つ…

古に耳を向けたなら

貝も、全てが囁いた。「大きくなったね」と囁いた。 いつからわたしがいて、生きていたのか、今でさえわからないけれども、遠くで見つめていた、そんな気がしている。 いつまで一緒に居られるかわからない。もしかしたら今すぐにでも別れてしまうかもしれな…

対極をも学ぶ

(※思想・政治的なことは語りません) 人間らしいロボットを作るとしよう。定義された「人間らしい」、とは、何を見て言えることだろうか? 人間は人間しか知らない。感情と理論は対極にあると思い込んでいる。感情を人間らしさと、理論をロボットらしさと置…

小さな一つの物語

どのような世界にも、人生にも、そこには必ず一つの物語があって、一枚一枚のぺージに毎日の記録がつづられていく。糸は赤くて、それでいて黒い。 黒い血で紙を染めて、そうでもしなければわたしは生きることもできないよ、存在することもできないよ、だから…