短篇
夜行性なので夜に起きます
ねこは夜に動きます
だけれどもここにあるのはすすき野だけ
無我の砂時計と共に起きゆ
黎明を迎えた後のくだりを、誰もが知っているよ。金が出て、栄えた町にも、枯れてしまえば想像がつくことが起きる。結末は誰の目からも逃れることはないが、突きつけられているわけでもなく、そこに「存在する」のみ。
無題であるが、本題をとぞ。
秋は出会いだった。それはわたしと、わたしの彼女とのそれであった。気づくまでに幾年かかったであろうか、いや、10年程度であっただろう、いつからいたのか、それは今や問題ではなく、わたしは、過去にわたしであったはずの、わたしが書き残した文を読み取り、真意を測る、それまでだと悟った。
思想にならなければならない。
肉体を脱却す、せよ、というのは、肉体が無くとも存在できる状態まで自身を保つことだと、わたし自身気づいていなかったし、あの時のわたしの意図も、おそらくわからない。もう一度、あの頃のわたしの姿だけでも模倣すれば、何か変わるだろうか。変わってくれろ、わが体。